【書評】「ヒトラーのテーブルトーク」(著:アドルフ・ヒトラー)

※かきかけ

 

皆様、ご無沙汰しております。スターリンのように「強く」なりたいめうにんげんと申します。

 

 

「ヒトラーのテーブルトーク」を読みました。

その読書中にいくつか覚書をしたため公開します。

(「ヒトラーのテーブルトーク」のテーブルトーク)

 

 

「ヒトラーのテーブルトーク」について

ヒトラーと側近との会話の速記録。またの名をボルマンメモ。

ヒトラーの生の声に近づける貴重な資料。戦争で一部は失われてしまった。

 

この速記録はそもそも正しいのか(偽書でないか)という証拠はないが、矛盾がなく迫真性があるので大体正しいとされる。

 

ヒトラーの国家観

様々な国家(または民族)について見解を示しています。

 

ドイツ

世界で最も優秀な国家。スラブ人のような劣った人種を支配するべきだ。

 

イタリア

😍

(ヒトラーは、古代ローマが好き)

 

イギリス

ドイツには劣ってるが仲良くなれると思う。仲良くしたい。一方的に秋波を送る。

(しかし、共産主義以上に危険なナチズムに大英帝国が妥協するはずがなかった)

 

フランス

イタリアほどではないが、パリは美しい。モスクワやペテルブルク(レニングラード)を燃やそうが何も気に留めないが、パリを破壊しては心が痛む、とのこと。しかし1944年に暴君ネロになってしまうのは皆が知るところである。パリは燃えているか?

 

クロアチア

謎の高評価。ドイツ人の外人部隊にしてあげればいい。ヒトラー曰くクロアチア人はスラブ系の言語をたまたま話しているだけでゲルマン人らしい。

 

ルーマニア

ドイツのために小麦だけ送ってくれればいい。(酷い扱いに見えますが、東欧の正教国家にしてはマシな方。ルーマニア国王がドイツ系であること、ヒトラー大好きローマ帝国の血を引く国家である(※)こと、ラテン系民族の国家とされること、などがあげられる)

※ルーマニアはローマ人の国の意味。ローマ帝国が最後に獲得した領土「ダキア」がルーマニアのもとになっている

 

ブルガリア

粥やヨーグルトを主食にしている長生きの国として言及されている。典型的な東欧のスラブ国家だと思ったのだが、ヒトラー的にはそうではなかったのだろうか。

(一応同盟国なので批判に手心を加えたのかもしれない)

 

 

〜〜〜国家として扱われる壁〜〜〜

 

 

ロシア

スラブ民族は生まれついての奴隷。怠け者。野蛮人。文盲だし、文盲であるべき。ロシア人に教育の必要ナシ。モスクワとペテルブルク(レニングラード)は煤塵にし、ウラル山脈を国境にすべし。イギリスがインドを支配するようにロシアを支配すべき。なんで優秀な我が民族が狭苦しい土地に押し込められる一方で、劣った民族に広大な土地が与えられているんだ?

 

とにかくボリシェヴィズムをユダヤ人と同等くらい嫌っていて、よく一瞬でも独ソに協力体制が築かれたものだと思った。独ソ戦が起こらないイフはありえない。劣ったロシア人を蹴散らし、広い土地に支配人種たるドイツ人が支配するというのは、ヒトラーの思想の根幹。

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ポーランド

ロシアと大体同じ。

 

ウクライナ

「特別にドイツの植民地にしよう。現在住んでいる者は追い出せばいい。」

 

肥沃な大地らしいウクライナをヒトラーは強く欲したようで、ウクライナにドイツ人を植民させる話がよく出てくる。

大体ロシア人と同じ扱い。

 

 

ギリシャ

ヒトラーは古代ギリシャを尊敬していたし、スパルタの人種政策(少数のスパルタ人が多数のヘイロータイを奴隷として従えた)を絶賛していた。

 

一方で、現代のギリシャ人はスラブ化して古代のギリシャ人とはまったく別種の存在であるという認識があったらしい。そのため、ナチスドイツのギリシャの占領政策は過酷を極めた。ギリシャがナチスの占領負担を約36兆円以上と見積もったが、これほど過酷だったのだ。

 

とはいえ、ギリシャには傀儡政権が置かれたのでポーランドよりはましな扱いといえる。

ポーランドやウクライナ、ロシアなどには親独傀儡政権すら置かれずドイツ人に統治された。

 

 

ヒトラーが言及した人物について

 

スターリン

ヒトラーとは不俱戴天の仇として知られるが、意外とヒトラーは彼のことを優秀だと評価している。

 

また、共産主義よりパンスラブ主義者。ツァーリになりたいのだろう。とのこと。 この見立ては割と正確な気がします。

ちなみにスターリンの側もヒトラーをかなり評価していて、ドイツが不可侵条約を破って攻めてくる直前もその情報を頑なに信じなかった。

 

ドゥーチェ(ムッソリーニ)

憧れ!

 

アントネスク

戦争中のルーマニアの独裁者らしい。度々言及されている。ルーマニアとルーマニア人を見下しているヒトラーだが、例外的にアントニスクの評価は高い。ドゥーチェに次ぐ、とまで評価している。ただ、彼はルーマニア人ではなくドイツ人とのことだがおそらく事実ではない。

 

チャーチル

ユダヤ人に操られて戦争をしている。ほとんど言及がない。

 

ルーズベルト

フリーメイソン。

 

ヒトラーと歴史上の人物について

 

ユリアヌス

背教者。キリスト教嫌いのヒトラーは彼を高く評価している。

 

ネロ

暴君ネロ。ローマに火を放ったのはネロではなく、ボルシェヴィキのキリスト教徒だったらしい。当時のイタリアにボルシェヴィキがあっただろうか(困惑)

 

 

宗教観

 

キリスト教に対する敵意が随所に散りばめられている。キリスト教は科学が自然に取って代わるだろうといった性急な考えの持ち主。

ただし無神論ではないのかもしれない。自然の中に神がいるといった主張もしている。

 

 

その他

 

・厳罰にしろとか、法律家や士官学校を出た軍人など‟インテリ”への敵視、他国の外交官の娘を篭絡して情報を聞き出せとか、

「性急」な人物だという印象を受けた。

 

・ベジタリアンである側面もある。愛犬家でもあったし、動物に心を寄せるところがあるのかもしれない。

「劣等人種」も同じように扱ってほしかった。

 

感想

ヒトラーは誇大妄想に基づいた予言をこの本の中でいくつも行なっているが、ほとんどそれは実現していない。強い人種意識と偏見に基づいたヒトラーは非常に異質である。 ヒトラーは非枢軸諸国、いや、枢軸国の日本からしてもその思想ははっきり悪と言えるだろう。アメリカの第二次世界大戦観は邪悪なナチスドイツ(と、その盟友の大日本帝国)を倒した「良い戦争」であるという見方が強い(特にベトナム戦争などと対比して)ですが、私はこれを“自然”であると考える。

 

 

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今日の授業は終わり!また来てね☆

 

 

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