(まだ報道が真実かどうかは明らかになっていませんが、もしも真実ならば)
めうにんげんダイアリーへようこそ!
こんばんは!
初めに言っておきますと一蘭は好きです。
あの味も環境も大好きです。
が、それでも言わなければならない────────
最近
一蘭が小売店に一蘭カップラーメンを値下げしないように圧力をかけた疑いで、公正取引委員会が調査しているニュースが報道された。
一蘭と言えば高めの価格設定で知られる。
カップラーメンも490円で売られていた。
で、この問題について
昨日から✨学士(商)✨を持つ筆者が意見を言いたいンだ
・・・・・・
一蘭の行動はちょっとね、
真実だとしたら
商学者・経営学者は許してくれませんよ😡
これは、経営学(商学)の一分野、マーケティングの問題だ。
早速考えてみよう!
具も無いカップラーメン。多分490円ではなく、300円くらいでも利益は十分出ることは予想できる。
では、なぜ圧力をかけてまで価格の低下を拒むのか。
「価格に依拠した価値の推定」(威光価格、名声価格)────────
これで説明が付きます。
「価格に依拠した価値の推定」。これはつまり、消費者は値段が高い=いいものだ、と認識することがあるんです。
一蘭が高価格を目指し、消費者もそれを受け入れているのは、この「価格に依拠した価値の推定」で説明がつきやすい例だと思います。
一蘭「高い値段を掲示(心の声:他のラーメン屋より高品質ですよ~🍜✨)」
消費者「高い値段を見る(心の声:わかりました。)」
↑これが成立してるんですね。
一蘭は他のラーメン店とは違う高価格(高級そうな雰囲気)を維持することにより、かえって一蘭のブランドイメージを高め、それを利益に繋げているわけです。
だから値段を下げたくない。
値段を下げるくらいなら売れ残って廃棄になってほしいんです。
もちろん、一蘭は高価格だけで選好(選ばれて)いるわけではないです。
500円で豚骨ラーメンを提供する博多天神が価格に依拠した価値の推定狙いで、
替え玉込で1000円にしたら客足は半減するでしょう(;´∀`)
需要曲線・供給曲線ってあるじゃないですか
あれですよ、×の形をしたグラフです
(正常財の)値段を下げれば需要があがるという、あれです🐳
だからラーメンという軸でみれば一蘭は値段が上がった分
需要が減っていくようにみえます
が──────────────────
一蘭はただの「ラーメン屋」じゃない。他にない「一蘭」なんですよ。
あの雰囲気。あの味集中カウンター。あの味。あの蛇口。あのオーダー票。あの接客。あの替え玉ボタン。あのチャルメラ。
これらによって、‟製品差別化”ができている。‟差別化”できてるから消費者は「一蘭」を求めて来店する。「ラーメン屋」より多少高くても構わないわけですね。
一蘭は偉いんですよ。製品差別化をしないで似たような豚骨ラーメンしか出さない市場になると、どんどん値段が下がっていくことを説明するベルトラン競争という経済学の考え方がありましてね
価格競争をしてはいけない。製品差別化は望ましいんです
このようにマーケティング的に正しいふるまいをする一蘭。
それなのに小売店に圧力をかけて値下げをしないようにさせたのは
(本当だとしたら)
残念だ──────────
マーケティングの教科書は、小売店とメーカーの間の関係性を色々と教えてくれる。
小売りマージンとリベートでキックバックの2種類が知られていて
メーカーが小売りマージンやリベートを高く設定すれば、売った分だけ小売店の取り分が上がる仕組みだ。これによって小売店がそのメーカーの商品をより積極的に売るインセンティブになるんだ。
しかし小売りマージンやリベートは、値段を下げてたくさんうるインセンティブが生まれるので、ディスカウント店に安売りされてブランドイメージが傷つくかも…
ということなんだ。
あとはメーカーと小売りの力関係、という視点で考えることもできるだろう。
一蘭とスーパーはどちらの方が力関係が上なのか?一蘭にそっぽを向かれるとスーパーは困るのか??
(一般にスーパーの方が力関係は強い方だと思う。食品メーカーはいっぱいありますからね。
一蘭は一(いち)ラーメンチェーン店で、食品メーカーに比べたらかなり弱い力しか持ってないのでは🤔)
このように、メーカーは小売店との最適な関係を悩んで考えているんだ。
メーカーと小売店の関係は、多くの経営学者や実務の担当者の苦悩の末、連綿と最適を目指してダイナミックに模索され続けた成果なんだ。
それなのに一蘭はそれを圧力で解消しようとした
(疑いが真実ならば)これは、いけない
禁じ手でしょうよ、圧力は。これは経営学者と実務担当者の今までを否定しようとする行いだ。
圧力で価格を維持しようとする一蘭の試みはうまくいかなかった、こうして悪事が露呈するだけで終わった。
小売りにも消費者にも不信感と嫌悪感を与えるだけだった。
どうして優れた商品販売をする一蘭が、このような拙い価格戦略をしてしまうんだ。
安売りされたくないんなら
一蘭の店舗とネットショッピングだけで売ればいいんですよ
小売り店、つまりスーパーやコンビニという優秀なサプライチェーン、流通チャネルを利用しながら
一方で圧力はかけて、自社ブランドは守ろうとするですと?
一蘭が実際に金を出して全国で売ろうとしたら、それは流通網の整備に大変な手間とお金がかかることになるだろう。
一蘭のカップ麺が全国で売られるのは
既に整備された流通チャネルに乗っかったからだ。
それはちょっとね
経営学者は許してくれませんよ
外部リンク
参考 一蘭490円カップ麺「価格拘束?」店頭価格の実態 定番品の値下げ動向、「天下一品カップ麺」との対比東洋経済ONLINE
・・・・・・
今日の授業は終わり!
また来てね!